トイレットペーパーはシングルが好きだという話
トイレットペーパーにはシングル、ダブル、そしてトリプルがある。どれが好きかは人それぞれだが私は圧倒的シングル派だ。カラカラと音を立ててトイレットペーパーを手に取る回数が私にとって重要で、それによって安心感が変わってくる。平均して小は4枚、大は8枚重ねて拭いているが、日本防菌防黴学会によるとトイレットペーパーは36枚重ねないと菌を防げないという。36枚も重ねたら間違いなくトイレが詰まる。ところが、ネットで調べてみると水分を介さないと大腸菌はトイレットペーパーをすり抜けないと言われていた。もうそういう理論は置いておいて私には菌が見えないので自分が安心できる枚数を重ねて使いたいと思う。トイレットペーパーを重ねる回数は好みでいい。用を足した後にしっかりと手を洗えばいいだけの話だ。
菌と言えば新型コロナウイルスだが、物を媒介にして移るのかどうかははっきりとわかっていない。実験をして1日以上も物の表面で菌が生きているとわかったらしいが、実生活の中ではどうなのかはわからない。だからこそ、紙幣に菌が付いているから新札に交換してほしいと金融機関を訪れる人がいたのだろう。見えない物というのは、それだけで恐ろしい。大腸菌も、新型コロナウイルスの菌も肉眼では見えない。だが、どちらも手をこまめに洗うという当たり前のことによってリスクを減らすことはできる。
トイレットペーパーが店頭から消えたことがあったのは記憶に新しい。私の近所では品薄状態が完全に解消されておらず、スーパーに愛用のトイレットペーパー（シングル）が売っていない。しかたなくダブルを購入した。シングルを使う時と同じように使っているせいでトイレットペーパーの減りが恐ろしく早い。優しい拭き心地に「あ、これダブルだった」と思い出すが、やっぱり手に取る枚数は体が覚えているのかなかなか変えられない。癖というのは恐ろしい。最近は気持ち少な目に使うようにしているが、それでもシングルの1.5倍ほどの早さで減っている。こまめにしっかりと手を洗い菌を落とすことよりも、体に染みついた癖を直すことの方が難しいと感じる毎日である。
どれほどふんわりなのか。一度使ってみたい気もするがトイレを詰まらせてしまいそうなのでやめておく。
